はじめに
※本記事は、お客様からよくいただくご相談をもとに構成した事例イメージです。展示会フォローの改善に取り組んだ担当者の話を、インタビュー形式でお届けします。
こんな方におすすめ
- 展示会が終わったあとのフォローが、つい後回しになっている方
- 集めた名刺が商談につながったのか、確かめられていない方
- メールを送ったあとの営業フォローを、仕組みとして回したい方
- 展示会の成果を、数字で振り返れる状態にしたい方
- 持ち帰った名刺の枚数が多く、全部に手が回っていない方
やり方は各自まかせ、成果は聞いて回るまで分からない
株式会社ハンモック商事は、毎年決まった展示会に出展しています。ところが、その後のフォローが属人化していて、出展の成果が見えていませんでした。この記事では、メール配信と対応状況の記録を組み合わせて、この課題をどう解決したかを追います。
カ
ナ
「展示会から戻るたびに、成果はどうだったかを鎌田に聞いていました。ただ、返ってくるのは『反応は悪くなかったです』『手応えはありました』という感触ばかりで、実際に何件つながったのかという数字は、集計が終わってからでないと出てこない。次にどの展示会へ出るか、予算をどう配分するかを決めるのは私ですが、前回の数字が固まるのを待っていては、次の申し込みに間に合わないんです。感触だけでは、出展の判断ができませんでした」
営業部 長友さん
「いえ、答えられませんでした。あの展示会の名刺がいまどうなっているのか、そこから商談がいくつ生まれたのかを、私自身が把握できていなかったんです。対応状況は、メンバーがそれぞれ自分の表計算ファイルで管理していました。しかも置き場所が人によって違って、共有フォルダの人もいれば、自分のPCに置いている人もいる。誰がどこまで連絡したのかを知るには、一人ひとりに聞いて回るしかなかったんです」
営業部 鎌田さん
「名刺1枚あたりの単価」を計算したら、社内の空気が変わった
フォローできている、つもりだった
「まず、フォローの実態を洗い出してみました。毎年出展しているのに、案件をたどっても、どれが展示会きっかけなのか分かりません。案件になったものも、展示会で打ち出した何が効いたのかを説明できませんでした。メンバーに聞いて回ったら、フォローしているつもりが、実際は反応の良さそうな一部の相手だけになっていたんです」
営業部 鎌田さん
出展費用を、名刺の枚数で割る
「出展料、ブースの施工、什器や資料の準備、当日立つメンバーの人件費と交通費。ある展示会では、合計で約150万円でした。それに対して、持ち帰った名刺は約300枚です」
営業部 鎌田さん
出展費用 約150万円 ÷ 獲得名刺 約300枚
名刺1枚あたり 5,000円
手が回ったのが半分なら、残りにも同じ5,000円がかかっている
「割り算をして、はじめて実感が湧きました。名刺1枚あたり、5,000円でした。一部にしか手が回っていないなら、残りにも同じだけかけたまま置いてあることになる。この計算を出したら、部内の反応が変わりました」
営業部 鎌田さん
※単価は出展規模や獲得枚数によって大きく変わります。まずは貴社の直近の数字で計算してみてください。
フォローが止まる理由は、誰かの怠慢ではなかった
展示会が終わった直後は、全員が忙しい
「展示会が終わった直後は、全員が忙しいんです。溜まったメールの処理、既存のお客様の対応、月末の数字。名刺の束は『落ち着いたらやる』と机の脇に置かれて、そのまま2週間が過ぎます」
営業部 鎌田さん
振り返りは、集計だけで半日かかっていた
「振り返りをしようとすると、まず全員に『あの展示会の名刺、どこまで対応しましたか』と聞いて回ることから始まるんです。返ってくるファイルの形式もバラバラで、集計するだけで半日かかっていました」
営業部 鎌田さん
まず決めたのは、5つだけだった
| やること | 利用した機能 | |
|---|---|---|
| 1 | 事前に展示会用の共有タグを作っておき、会場で名刺のデータ化を依頼するときに付ける | 名刺管理 |
| 2 | そのタグでリードを抽出し、送信対象にする | メール配信 |
| 3 | データ化が終わり次第(展示会から2〜3営業日以内)、来場のお礼メールを一斉送信する | メール配信 |
| 4 | 同じタグで営業アプローチリストを作り、担当者と対応期限を割り振ってから、反応があった人から順に電話する | 営業アプローチリスト |
| 5 | コール結果を対応結果として記録し、進捗を数字で把握する | 営業アプローチリスト |
「最初はメールだけで済ませようとしていました。でも送った後に誰が何件電話したかが分からないと、結局また聞いて回ることになるんです。送る側と、追いかける側の両方を用意しないと片手落ちでした。ただ、決めたのはこの5つだけです。全社の標準にするのは、次の1回でうまくいってから考えることにしました」
営業部 鎌田さん
※営業アプローチリストは、ご契約内容によっては別途オプション契約(有償)が必要です。詳しくは プラン一覧(機能紹介) をご確認ください。
会場でのひと手間が、電話の順番を変えた
会場で、展示会名のタグを付ける
「これを忘れると、あとから『あの展示会でもらった名刺だけ』を選び出すのが一気に難しくなります。逆に目印さえ付いていれば、送り先の絞り込みは数分で終わります。タグの名前は事前に決めておきました。年度と展示会名を入れる形にして、会場に立つメンバーには『これを選ぶだけ』と伝えています」
営業部 鎌田さん
データ化が終わり次第、お礼メールを送る
「データ化が終わり次第、そのタグで抽出した相手へお礼メールを一斉送信しています。会場で依頼した名刺がデータになるまで1〜2営業日かかるので、展示会からは2〜3営業日のうちですね。内容は、来場への感謝、ブースで説明した内容の要約、詳しい資料へのリンク、配信停止リンクです。リンクは2〜3本までに抑えています。文面はメールテンプレートに登録してあるので、展示会の日付と会場名を入れ替えるだけです。送るまでに10分かかりません」
営業部 鎌田さん
※本記事では展示会後2〜3営業日でのお礼メール送信を例として紹介しています。なお、展示会などで大量の名刺をデータ化依頼される場合は、通常よりお時間をいただくことがあります。大量の名刺のデータ化をご予定の場合は、事前にご相談ください。
反応があった相手から、電話する
「以前は名簿の上から順にかけていました。相手がブースのことを覚えているかどうか分からないので、『先日の展示会では』の一言目が通じないことがよくありました。今は、メールを開いた人、資料のリンクを踏んだ人から先にかけます。メールを送った翌日には開封やクリックがだいたい出そろうので、それを見てから順番を決めます。電話は、メールを送った2営業日後からです。同じ件数をかけても、つながった先の温度がまるで違います」
営業部 鎌田さん
※開封・URLクリックは、HTML形式またはマルチパート形式で送信した場合のみ取得できます。
「電話とメールは二者択一じゃなくて、交互に打つものだと考えるようになりました。つながらなかった相手には2週間後にもう一通送ります。そう考えると、フォローが途切れないんです」
営業部 鎌田さん
「あの展示会、どうだった?」に即答できるようになった
割り振りと対応期限を決める
「タグで抽出した300件を営業アプローチリストに入れて、拠点ごとに担当者を割り振ります。対応期限は10営業日後です。電話をかけたら、その場で対応結果を選んで記録するだけです。不在で話せなかったのか、話せたが今は不要だったのか、アポイントになったのか。選択するだけなので、通話直後に数秒で終わります。対応期限の前日に担当者へ通知が届くので、私が催促しなくてよくなりました。これが一番ありがたいところです」
営業部 鎌田さん
※対応期限の通知は、マイページの機能別通知で設定します。
数字は、その日のうちに見える
「直近の展示会は、300件中240件に架電、通話できたのが80件、アポイントが18件でした。この数字が、集計を待たずにその日のうちに見えます。以前は聞いて回っていたものが、ホットプロファイルを見れば分かるようになりました」
営業部 鎌田さん
件数は、フォローの遅れに気づくために見る
「全体の数字とは別に、担当者ごとの件数も出ます。そこで私が見ているのは、フォローが遅れている人がいないかです。遅れているなら、忙しいのか、リストの中身が難しいのか、理由があります。件数の多い少ないで順位をつけたいわけではなくて、手が止まっているところに気づいて、理由を聞きに行くために使っています」
営業部 鎌田さん
「そのまま商談として記録が続くので、展示会で集めた名刺のうち何件が案件になったのかを、後からたどれるようになりました。直近の展示会だと、18件のアポイントから5件が案件になっています。現場のメンバーにとっては自分の担当分と残件がはっきりしますし、私にとっても、進捗を一人ひとり確認する手間がなくなりました」
営業部 鎌田さん
※対応履歴からの商談登録には、商談管理(Salesプラン)のご契約が必要です。
漏れをなくす確実な方法は、気合いを入れることではなく、漏れが目に見える状態をつくることでした。
「聞いています。ただ、返ってくるものが変わりました。以前は『手応えはありました』でしたが、いまはその場で件数が出てきます。報告が上がってくるのを待たずに、次の出展をどうするかを決められるようになりました」
営業部 長友さん
振り返りが、次の出展の判断材料になった
4つの指標に分けて見る
「一番変わったのは、展示会から1か月後の振り返りです。うちでは、架電率(対象のうち何件に電話をかけたか)、接触率(かけたうち何件と話せたか)、アポイント率(話せたうち何件が面談になったか)、そして案件化数の4つを並べて見るようにしています」
営業部 鎌田さん
「合計ではなく4つに分けているのには、理由があります。合計だけ見ていると、どこを直せばいいのか分からないんです。架電率が低いなら人手か割り振りの問題。かけてはいるのに接触率が低いなら、時間帯や回数の問題。そこまでは話せているのにアポイントにならないなら、話す内容か、接点からの時間の問題です」
営業部 鎌田さん
メールの反応が、電話の成果を分けた
「確認しています。直近だと300件に送って、開封が120件、資料のリンクを踏んだのが45件です。電話をかけた240件のうち、開封やクリックがあった相手はちょうど半分でした。そこからのアポイントが14件、反応がなかった相手からは4件。同じ件数をかけて、3倍以上の差が出ました」
営業部 鎌田さん
メールは送って終わりではなく、電話の順番を決める材料でした。
2回目の出展で見えたこと
「2回目の出展のときですね。架電率は前回より上がったのに、アポイント率が落ちていたんです。原因を追ってみたら、お礼メールの送信が遅れていました。展示会の直後に別の業務が重なって、データ化は終わっていたのに送れず、展示会から1週間後になっていたんです。それだけで、電話をかけたときの『先日の展示会では』が通じにくくなっていました」
営業部 鎌田さん
合計だけを見ていたら、原因まではたどれませんでした。4つに分けておいたことで、初動の速さが効いていたと分かり、直す場所が1つに絞れました。
「変わりました。出展料が高い展示会と安い展示会がありますが、以前は来場者数の多さで選んでいました。いまは案件化まで見ています。人は多いのにアポイントにならない展示会は、来年は出ない。そういう判断が、感触ではなく数字でできるようになりました」
営業部 長友さん
「今回は手応えがあった」ではなく、「300件中240件に架電、通話80件、アポイント18件、案件化5件」と説明できます。次の予算の話は、この形でしか進まないそうです。
振り返ってみて、変わったこと
属人化していた展示会フォローを、メール配信と対応状況の記録で仕組みに変えました。その前後で、ハンモック商事の現場はこう変わっています。
| 以前 | 現在 | |
|---|---|---|
| 名刺のデータ化 | 持ち帰ってから各自が登録。どの展示会の分か分からない | 会場でタグを付けてデータ化を依頼 |
| 展示会後の初動 | 「落ち着いたら電話しよう」で2週間 | データ化が終わり次第、2〜3営業日でお礼メールを一斉送信 |
| 電話のかけ方 | 名簿順に上から架電 | 開封・クリックのあった相手から架電 |
| 対応状況の記録 | メンバー個人の表計算ファイル | 全員が同じリストに記録 |
| 振り返り | 全員に聞いて回り、集計に半日 | その日のうちに数字で見える |
| 情報の保管 | どこに何件あるか把握できない | データで一元化され、画面で件数まで分かる |
毎年出るなら、文面を型にしておく
出展は年3回、計画的に決まっています。一度メールテンプレートを作っておけば、次からは展示会名と日付、会場を入れ替えるだけで済みます。毎回ゼロから文面を考えないことが、データ化が終わってすぐ送れる理由でもあります。
そのまま使える文面は 前のメールを、探さない。営業メールのテンプレート集 にまとめています。
「展示会の費用は、終わった時点では1円も回収できていません。回収が始まるのは、持ち帰った名刺が『誰かがフォローする状態』に置かれてからだと思っています」
営業部 鎌田さん
次の出展の前に、まずは直近の展示会でかかった費用を、持ち帰った名刺の枚数で割ってみるところから始めてみてはいかがでしょうか。